1970 July One day
日本人のウェーターは僕を入れて、確か5人くらいだったと思う。僕の隣にいる眼鏡をかけた青年は、モロさんと言う1歳上の方で海外旅行から帰ったばかりの大学生、同じ仲間のムラタさんは一番上に写ってる方です。僕は厨房で3か月ほど仕事をしていましたが、彼のようにウェーターをやってみたいと思い、ドイツ人マネージャに頼んでみました、もちろん片言の英語で。ま、ほとんどの客は日本人なので英語力はあまり問題ではなかったようで、あくる日からウェータ―の仕事に就きました。
毎日がむちゃくちゃ忙しく働いておりましたが、ある日、サブマネージャ―から英語で何かしゃべりながら食券を渡されてました。サブマネージャーが僕の働きをみて食券を僕にプレゼントしてくれたのだといいように解釈し、厨房で食券を渡し、出来た料理(肉料理)を空いている席で食べていると、他の場所で座っているサブマネージャーと周りのドイツ人ウェーター達が、なぜか僕を見て笑っているのだ!あきれたような顔で! えぇ~!まさかと思っていると東京の一流ホテルから来ている年配の日本人ウェーターに、「それ、サブマネージャーの食事だよ!」って言われて僕は自分の英語力の無さを恥じ、真っ赤になってサブマネージャーの席まで行って謝りました。サブマネージャーは「いいよ、そのまま食べて!」と言ってくれたけど。僕の外国人との初めての英会話は大失敗のスタートでした。
・・・その後、モロさん(確か日商岩井に就職したと思う)ムラタさん、そして左側に座っている可愛いケーキ売りの少女(?)あれから50年、みんなどうしているんだろうか? 無性に会ってみたい気がします‼